戸塚琉斗くん(中3)全国4位おめでとう

ジュニアクラシックコンクール全国大会第4位入賞
本当におめでとうございます!!
何の曲を弾かれましたか?
スクリャービンの「幻想曲 ロ短調」です。
ご自分で選ばれた曲ですね。
どんなところが好きですか?
三つの主題全てと、この曲の持つ性格です。
第一主題の胸を刺されるような七度の和音と、
痛みがキリキリと波のように食い込む、乱れた5連符が、
黒い液体のようなおどろおどろしさを強調しています。
第二主題は、さまざまな要素の美しさを展開しているのが魅力です。
この曲でもっとも好かれた要素と言っても過言ではありません。
スクリャービン特有の付点リズムがメロディーに採用されています。
なおこの付点リズムは、
普段なら彼は、この曲の主人公や
世界の威厳や、逞しさを伝えるために用いていることが多いですが、
今回は珍しくその逆で、柔らかさをさらに発展させるために用いています。
最初のニ長調の、まるで「絵の具で色を染めていく時」に行う微かなタッチ・・
この部分の左手の音列、右手の和声のひびきは、
絵の具の色が混じる際に生まれる水と色の流れです。
そして、曲の中間部の展開部に再登場する第二主題は、
壮大な音楽で聴衆の魂を持って大宇宙へと打ち上げてくれます。
自然と涙が溢れてきます。
この曲の一番素晴らしい部分です。
この曲を好む人、楽しみにしている人皆、ここを聞いている時の魂が一心同体になるのです。
まるで一つの体、血流、5感、五臓六腑、脳を共有している様です。
続いては第三主題。
第2主題で、心がとろけていくという、
柔らかさよりもさらに柔らかい表現をする為に用いられていた付点リズムを、
今度は逆に、威厳に満ち溢れた人間や世界、社会を構築する為に用いており、
スクリャービンは天才なんだなと感じさせます。
この浮遊感と、威厳を兼ねそろえた付点リズムと和声は、彼独自のものです。
たくさんのことを感じ取りながら弾かれましたね!
どんなところが大変でしたか?
技巧と、深い表現と、この曲全体の強弱と、
ボルテージの計画を練ることと、緊張に備えることです。
この曲の強弱とボルテージを正確に表現するために、
グラフを書いたほどです。
スクリャービンは、左手が難しいことで有名ですが、
技巧は、実を言えば、自分は右手に苦労させられました。
右手の音域が広すぎるので、なかなか掴みにくいのです。
表現で苦労したのは、
再現部のおどろおどろしさと、pの中の強弱の付け方です。
その点を克服するため、1日どのくらい練習されましたか?
2~6時間は弾きました。
頑張りましたね!
7月末には、東京サントリーホールでの
受賞者コンサートが控えていますが、
どんな風に弾きたいですか?
緊張せず自信を持つことと、
あとは体と指の使い方、
強弱の緩急の付け方を改善したいです。
ぜひ頑張りましょうね!
スクリャービン愛に溢れ、
とことんまで突き詰めようとする姿勢が印象的でした!
注意点も、意欲的に楽譜に書き込み、
しまいには書き切れずに、5回もコピーし直していました。
(上の写真・同じ楽譜が5冊!)
コンクールでの情熱ほとばしる演奏には、思わず涙が!
りゅうちゃん、これからも熱い演奏聞かせてね!